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相続が発生した方

まずはじめに
相続税の税務調査
申告のスケジュール
名義変更
相続税の書面添付

まずはじめに

相続が発生した場合の当事務所のサービス

写真:ビジネスイメージ

大切なご家族がお亡くなりになられて、大変辛い思いをされたことと存じます。
ご遺族の方々におかれましたは、今後の相続に関する手続きに関し、当事務所のホームページをお役立ていただければ幸いです。

相続が発生すると、相続税の申告だけでなく、様々な手続きが必要です。
例えば、相続人の確定、土地等の相続財産の評価、遺産分割協議書の作成、預貯金、有価証券、不動産の名義変更等を行わなければなりません。これらのことは、相続税の申告の有無に関わらず行わなければならない手続きです。

何から始めていいかわからない方、平日に銀行や役所に行く時間がない方、効率よく相続の手続きを行いたい方等、それぞれのご要望に合わせて対応を行います。

是非、当事務所の無料相談をご利用ください。

相続税について

被相続人(亡くなった方)から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した各人の課税価格(相続税が課される財産の価額から相続財産の価額から控除できる債務と葬式費用の価額を差し引いた金額)の合計額が「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人(相続人)は、相続税の申告をする必要があります。
したがって、課税価格の合計額が、遺産に係る基礎控除額以下である場合には、相続税の申告をする必要はありません。
(注)小規模宅地等の特例や特定計画山林の特例などを適用することにより、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下となる場合には、相続税の申告をする必要がありますのでご注意ください。

相続人について

民法では、相続人の範囲と順位について次のとおり定めています。

  1. 被相続人の配偶者は、常に相続人となります。
  2. 次の人は、次の順序で配偶者とともに相続人となります。
    第1順位
    被相続人の子(子が被相続人の相続開始以前に死亡しているときなどは、孫(直系卑属)が相続人となります。)
    第2順位
    被相続人に子や孫(直系卑属)がいないときは、被相続人の父母(父母が被相続人の相続開始以前に死亡しているときなどは、被相続人の祖父母(直系尊属)が相続人となります。)
    第3順位
    被相続人に子や孫(直系卑属)も父母や祖父母(直系尊属)もいないときは、被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が被相続人の相続開始以前に死亡しているときなどは、被相続人のおい、めい(兄弟姉妹の子)が相続人となります。)

相続人以外の者の貢献を考慮するための方策ができます(2019年7月1日以降)
相続人以外の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の支払を請求することができます。
法務省資料 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策(PDF)
図:相続人について

相続税の申告が必要な方

被相続人(亡くなった方)から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した各人の課税価格(相続税が課される財産の価額から相続財産の価額から控除できる債務と葬式費用の価額を差し引いた金額)の合計額が「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人(相続人)は、相続税の申告をする必要があります。 
したがって、課税価格の合計額が、遺産に係る基礎控除額以下である場合には、相続税の申告をする必要はありません。

(注)小規模宅地等の特例や特定計画山林の特例などを適用することにより、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下となる場合には、相続税の申告をする必要がありますのでご注意ください。 

相続税の申告の要否が不明な場合(簡易計算)

写真:ビジネスイメージ

相続税申告の要否は、以下の資料により判断することができます。
相続税の申告の要否を判断することが目的なので、最小のコストで納まるよう、簡易計算によりレポートを作成します。
なお、簡易計算の結果、相続税の申告が必要なケースに備え、作成した資料を活用できるよう配慮しています。

なお、相続税申告が不要な場合でも、税務署から「相続についてのお尋ね」が届く可能性があります。この場合は、相続財産が基礎控除額以下となった根拠の説明が求められます。
当会計事務所では、「相続についてのお尋ね」への回答案の作成にも対応しています。

相続税の申告が必要か不要かについてのご相談は、当事務所の無料相談をご利用ください。

図:相続財産の価額算定みなし相続財産を含め、非課税資産を除く→相続財産から控除できる債務・葬式費用の算定→相続人(配偶者・子等)の確定→遺産に係る基礎控除の算定→相続税額の算定(簡易計算)

相続税の税務調査

相続税の調査の状況

国税庁の発表資料によれば、平成29事務年度の相続税の実地調査の結果は、以下のとおりです。

  1. 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数
    相続税の実地調査については、平成27年に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
    実地調査の件数は12,576件(平成28事務年度12,116件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は10,521件(平成28事務年度9,930件)で、非違割合は83.7%(平成28事務年度82.0%)となっています。
  2. 申告漏れ課税価格
    申告漏れ課税価格は3,523億円(平成28事務年度3,295億円)で、実地調査1件当たりでは2,801万円(平成28事務年度2,720万円)となっています。
  3. 申告漏れ相続財産の金額の内訳
    申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等1,183億円(平成28事務年度1,070億円)が最も多く、続いて有価証券527億円(平成28事務年度535億円)、土地410億円(平成28事務年度383億円)の順となっています。
  4. 追徴税額
    追徴税額(加算税を含む。)は783億円(平成28事務年度716億円)で、実地調査1件当たりでは623万円(平成28事務年度591万円)となっています。
  5. 重加算税の賦課件数
    重加算税の賦課件数は1,504件(平成28事務年度1,300件)、賦課割合は14.3%(平成28事務年度13.1%)となっています。

出典:平成29事務年度における相続税の調査の状況について(平成30年12月 国税庁)

税務調査の状況から分かること

統計資料を見ると、次のことが分かります。

  1. 平成29年の税務調査の件数は12,576件(平成28事務年度12,116件)、このうち申告漏れ等があった件数は10,521件(平成28事務年度9,930件)で、申告漏れ等の割合は83.7%(平成28事務年度82.0%)となっています。
  2. 税務調査一件あたりの申告漏れ財産は3,523万円、一件あたりの追徴税額は623万円となっています。
    結果として税務調査が入ると8割超の割合で追徴税額が生じます。

それでは、どのような相続財産が申告漏れと指摘されるのでしょうか?

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等1,183億円(平成28事務年度1,070億円)が最も多く、続いて、有価証券527億円(平成28事務年度535億円)土地410億円(平成28事務年度383億円)の順となっています。

調査する側の視点に立てば、現金・預貯金等及び有価証券に申告漏れ相続財産が多く、調査の中心もここにおかれると言えます。なお、土地等の場合は財産の計上漏れが考えづらいため評価方法の誤りにより過少申告と認定されるケースと思われます。

図:税務調査の状況から分かること

税理士による調査立ち会い

税理士による調査立ち会いに関しても、精通している税理士は少ないのが現実です。
国税庁が公表した「平成29年分の相続税の申告状況について」によれば、相続税の申告書の提出に係る被相続人数(亡くなった方)は111,728人、税理士登録者数は、約77,873人(平成31月4末日現在)です。
このように相続税申告に携わっている税理士の数は、少ないのが現実です。
単純計算で7.7万人の税理士が11万件の相続案件を手がける計算です。
実際には相続を専門としている事務所もあるため、相続税の申告が年に1回あるかないかということになります。
さらに、税務調査となると相続税の申告件数のうちの約20%です。相続税の案件が少ない税理士は、5年に1件くらいしか相続税の税務調査を経験しないことになります。つまり、税務調査への対応は、税理士でもある程度経験が無いと対応できない業務となっています。

出典:平成29年分の相続税の申告状況について
出典:税理士登録者数(日本税理士会連合会)

税務調査の事前通知

税務調査に際しては、原則として、税務署等から納税者に対し調査の開始日時、開始場所、調査対象税目(この場合は相続税の申告内容)、調査対象期間などが事前に通知されます。この場合、税務代理を委任した税理士に対しても同様に通知されます。
なお、納税者は、合理的な理由がある場合、調査日時の変更の協議を求めることができます。
ただし、税務署等が保有する情報から、事前通知をすると正確な事実の把握が困難になる、又は調査の適正な遂行に支障を来す恐れがあると認められる場合は、事前に通知せずに税務調査が行われることがあります。 (強制調査)

※相続税申告書に書面添付を行っている場合は、書面添付の項目をご参照ください。

税務調査で行われること(一例的なケース)

  1. 現金・預貯金等を中心とした調査
    (1) 生前贈与
    ①贈与額、時期、申告の有無とその贈与後の通帳・証書の保管者の確認
     例えば、名義を変えただけ、または預金の残高を移動しただけで、実質的に贈与は成立していない場合、相続財産に組み込まれるケースが多くあります。このようなケースに至る原因は、贈与が契約行為だということを失念し、贈与契約書を作成していなかったことにあります。
    (2) 預金の動きを調査
    ①相続人が生前に預金通帳、権利書等を保管していた場所の確認
    ②各印鑑の使用方法の確認(家に保管してある全ての印鑑の印影をとります)
    ③預金通帳について家族全員分の金融機関・番号・残高・取引内容の確認
     例えば、長男夫婦と同居していたお父さんの相続税の調査の際、お父さんの財産の管理をしていたお嫁さんに対し、預金通帳のお父さんの預金の出金とお嫁さんの預金の入金を照合します。入出金日と金額の関係から預金の移し替えと推定され、相続財産に組み込まれるケースもあります。
    (3) 被相続人の財産が生前の収入に対して適正な額かの確認
    ①生前の収入に比べて、財産が少ない場合、その理由と証拠が求められます。
  2. 土地
    縄延びの確認(土地の測量図が家に残っていないかを確認)
  3. 税務署の事前調査
    税務署も調査に来る以上は、しっかりと事前調査を行い申告漏れがあるとの高い心証又は証拠を持っていると思って間違いありません。
    土地の評価については現場で実測し、生前の相続人への預金の移動などは銀行で反面調査を行い、居住状況については近所の人に聞き込みを行っていると思ってください。

税務調査後の対応

  1. 相続税の申告書に記載されていた相続税額が正しいと認定された場合
    この場合には、その時点で相続税の税務調査は終了します。
  2. 税務調査で指摘事項があった場合
    (1) 相続税の申告書に記載されていた相続税額が少なかった場合
    最初の申告より相続税額が少なかった場合は、修正申告書を提出することが求められ、その差額を納税する手続きを行います。
    修正申告には「相続人自らが間違いを認める」という意味となりますので、もし後日に異議があったとしても受け付けられませせん。
    なお、 修正申告を行うと、延滞税・加算税などの罰金の納付も必要になります。
     ①遺産分割協議書の再作成
     相続税の申告書に記載されていない財産が税務調査により発見されたときは、その発見された財産を相続人のうち誰が相続するのかを決めなければなりません。
     ただし、既に作成された遺産分割協議書において「新たに発見された財産は○○が相続する」などの文言が記載されているときは、遺産分割協議書の再作成は必要ありません。
     ②延納や物納の申請
     税務調査により相続税が増えた場合も、現金による一括納付が原則となります。
     もし、現金で払えない場合は、延納や物納の申請をします。
     延納や物納の申請を行う場合は、修正申告書の提出までに申請書を税務署に提出しなければなりません。
    (2) 税務調査の結果に異議がある場合
      税務調査の結果に納得できないときは、修正申告を行わず、税務署に更正処分をしてもらいます。
     ※更正処分とは、税務署が正しい税額を計算することをいいます。
      その上で、異議申し立てを行います。
      なお、異議申し立ての期限は、更正決定通知書を受けた日の翌日から2か月以内となります。

申告スケジュール

相続税申告のための確認事項

相続税の申告のためには、相続人の確認、遺言書の有無の確認、遺産と債務の確認、遺産の評価、遺産の分割などの手続が必要です。

  1. 相続人の確認
    被相続人(亡くなられた人のことをいいます。以下同じです。)と相続人(被相続人の財産上の地位を引き継ぐ人をいいます。以下同じです。)の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認します。
  2. 遺言書の有無の確認
    遺言書があれば遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受けます。ただし、公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。
  3. 遺産と債務の確認
    遺産と債務を調べてその目録や一覧表を作っておきます。
    また、葬式費用も遺産額から差し引きますので、領収書などで確認しておきます。
  4. 遺産の評価
    相続税がかかる財産の評価については、相続税法と財産評価基本通達により定められ一般に公表されていますので、それらにより評価します。
  5. 遺産の分割
    遺言書がある場合にはそれによりますが、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議をし、分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成します。
    なお、相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があります。この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産の分割協議を行います。また、期限までに分割できなかったときは民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告をすることになります。
  6. 申告と納税
    相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。


写真:相続税申告のための確認事項

相続税の申告スケジュール

画像:相続税の申告スケジュール

相続財産の名義変更

名義変更が必要な相続財産

相続が発生すると、相続税の申告が必要な場合も、必要でない場合も、不動産、預貯金、有価証券等がある場合は、相続人に所有権を移転する手続きが必要となります。

  1. 不動産の名義変更
    相続による不動産の名義変更は、法律上で決められた期限はありません。名義変更をせずに放置しておいても罰則もありません。
    しかし、不動産の名義変更をしておかなかったため、後日、相続人間でもめるケースがあります。
    このような事態にいたらないために、遺産分割協議書に基づく名義変更を行うことをお勧めします。
  2. 預貯金等の名義変更
    預貯金等の名義変更は、預貯金等の口座のある金融機関に必要な書類を添えて届け出を行います。
  3. 上場株式等の口座の移し替え手続き
    上場株式等は、証券会社等の被相続人の口座から相続人の口座に上場株式等の移し替えを行います。

写真:名義変更が必要な相続財産

不動産の名義変更

動産の名義変更は、不動産の登記を所管する法務局に名義変更の申請を行います。
被相続人が死亡したことやその相続人を特定するため資料として、以下の資料が必要になります。

  1. 登記簿謄本
  2. 被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、住民票の除票
  3. 相続人の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書
  4. 固定資産税評価証明書
  5. 相続関係図
  6. 遺産分割協議書
  7. 不動産相続登記申請

当事務所では、これらの書類を窓口を一本化して、相続税の申告と平行して行います。

相続の効力(相続財産の登記)等の見直し(2019年7月1日以降)
相続させる旨の遺言等により承継された財産については、登記なくして第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直し、法定相続分を超える部分の承継については、登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないことなります。
法務省資料 相続の効力等の見直し(PDF)

預貯金等の名義変更

預貯金等の名義変更は、口座を開設していた金融機関に相続関係届を行い名義変更します。
手続きに必要な資料は、以下のとおりです。

  1. 被相続人の戸籍謄本、除籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
  2. 相続人の戸籍謄本、印鑑証明書
  3. 被相続人名義の預金通帳、証書、キャッシュカート等
  4. 遺産分割協議書
  5. 相続関係届

上場株式等の口座の移し替え

被相続人の上場株式が証券会社の特定口座にある場合は、同じ証券会社に相続人の口座を開設し株式を移し替える手続きが必要となります。
なお、上場株式が特別口座にある場合は、特別口座を開設している信託銀行等で株式を振り替える必要があります。
手続きに必要な資料は、以下のとおりです。

  1. 被相続人の戸籍謄本、除籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
  2. 相続人の戸籍謄本、印鑑証明書
  3. 遺言書または遺産分割協議書
  4. 相続手続依頼書、口座開設請求書等

効率的な名義変更手続き

不動産に限らず、相続税の申告と名義変更を別々に行うと二度手間になるケースが想定されます。
当事務所では、不動産の名義変更、金融機関の口座の名義変更、上場株式等の口座の移し替え手続きも視野に入れた効率的な名義変更をご提案させていただいています。
なお、相続税の申告が不要な場合でも、名義変更の代行を行います。


相続税の書面添付

書面添付制度とは

書面添付制度は、税理士法(以下「法」という。)第33条の2に規定する「計算事項等を記載した書面」を税理士が作成した場合、当該書面を「申告書」に添付して提出した者に対する調査において、従来の更正前の意見陳述に加え、納税者に税務調査の日時場所をあらかじめ通知するときには、その通知前に、税務代理を行う税理士又は税理士法人に対して、添付された書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければならない(法第35条第1項)こととされているものです。

書面添付のメリット

書面添付制度を利用した場合の納税者のメリットは、以下のとおりです。

  1. 「申告書」に当事務所が実施した業務を記載した「計算事項等を記載した書面」を添付することで税務署からの信頼が高まります。
  2. 税務署が調査を行う前に、当事務所は意見聴取(税務署からのヒアリング)の機会が与えられます。その際に、当事務所では「計算事項等を記載した書面」の内容を税務署に説明します。
  3. 上記の結果、税務調査を受ける可能性が減少します。

なお「計算事項等を記載した書面」には、「申告書」が税法に準拠した内容であることを記載するため、納税者にもご協力いただくことを前提としています。

写真:書面添付のメリット